もういっちょWild Animalsのインタビューです。今回はfeiticeirAというサイトに掲載されていたもの[http://feiticeira.org/entrevista/wild-animals]を元に翻訳しました。

こちらも1stアルバムをリリースして間もない時期、おそらく2016年6月くらいのインタビューだと思います。2つのパートに分かれていまして、前半はいわゆるふつうのインタビュー、後半はちょっとした曲解説のような内容になっています。

(うころもち)

 
 

entrevista con Wild Animals

Wild AnimalsはFeiticierAの(バーチャルな)編集部で最もよく流れたバンドの一つである。その顔ぶれを見るにAllfits、Enoch Ardon、あるいはJamie 4 Presidentといったすでに知られたバンドのメンバーではあるが、デビュー音源を発表している。というわけで、その紹介にかこつけてメンバーとマドリードでおしゃべりしました。

 

君たちの初めてのコンサートは我々との共同開催だったことを特別な思い入れで覚えているよ。そのときは誰がこのバンドを求めていたのか(また、君たちがSuperchunkやHüsker Düのような音を鳴らしていること)偉大なるCasta(当時はCaleiah、現在はDiscos Finu)が言ったというのをほとんど信じてなかったけど。
ほんとだね!その際はどうもありがとう。我々も同じくその初コンサートのことは思い入れがあって覚えているよ。

そして、君たちは長い道のりを経て、Ultramarinos Costa Bravaで録音され多くのレーベルから出たアルバムとともに今ここにいる。トントン拍子に事が運んだのか、それともただ単に努力の成果だったのか、どう思う?
物事は早く進んだけど、それは我々が止まらなかったからでもあるんだ。それは一連の出来事だったんだと思う。一年で60以上のコンサートをやり、多く求めたし、様々なツアーを敢行するなどした。また一方で、みんなが(前作である)EPを気に入ってくれているという感じがあったし、今はアルバムも同じようにとてもうまくいっているから不満なんてないよ!全て順調さ。

さっそく君たちのLP “Basements: Music To Fight Hypocrisy”に話を移すけれど、自分たちで聴いてどの部分に満足している?
Santiの元でレコーディングしようと決断したことにとても満足しているし、アルバムはまさに自分たちが頭の中でイメージしていたような音であり、それは凄まじい感覚だよ。我々としては… いくぶん短い時間の中でライブやツアーを休止することなくアルバム制作をすることができていたこと、そして全ての曲に確信と満足感を持っている。

サン・フェリウ・ダ・ギショルスでのSantiとのレコーディングとプロダクションがこのアルバムのキーポイントであることに疑いはない。この案はどうやって練られたの?いつものSantiの(パンクやハードコアの系統ながら君たちのEPにはなかったクリーンな音も持った)サウンドを活用するということを事前に考えて臨んだの?
我々3人はSantiのレコーディングのやり方がとても好きなんだ。彼が手掛けた作品の多くを子供の頃から聴いていたし、それに彼の手に委ねるのは良い考えだとわかっていたし、彼の特徴的なサウンドは我々にぴったりだから曲に上手く合うはずだとわかっていたよ。さらに、Santiは我々のEPがとても好きだというメッセージをくれたから、それによってなおのこと意欲を掻き立てられたよ。だって自分の作ったものに刺激を受けてくれた人とレコーディングするのは贅沢なことだからね。
EPはあまり時間がないなかで録った。それは最初に作った7曲だったから、このアルバムではもっとやれることがあるしもっと曲を生かすことができるという気持ちがあったんだ。

前作に引き続き、優れたアートワークはManu Griñónによるものだった。彼についてちょっと教えてくれ。
Manuはアストゥリアスのアーティストで、いくつかのすごいイラストレーションを作っている。もう何年も前からの友人で、彼の作品はどれも好きだった。こういったことをそれがクールであるだけでなく愛情を持ってやっているような人が身近にいるのは素晴らしいことだ。
それと、我々はグループの特徴を示すデザインに関しては同路線を継続するのが好みだから、同じようにLPのカバーも作ってくれないかと彼にお願いしたんだ。
彼のウェブサイトではもっと多くのものを見ることができるよ。

LPの内容に戻るけど、いくつかの歌詞はほんの少し社会的な色合いからより個人的なレベルになったような気がする(同じように社会的ではあるけど反抗性が薄らいでるというか)。自分たちを型にはめたくなかったのか、それとも単純にそういうふうになったのだろうか?
そういうふうになったんだ。EPでも同じようにより個人的な曲(“Marlene”、“Crumbs”、“The First Golden Lady”)と他の政治的/社会的な曲を交ぜていたよ。歌詞の大半は3人で一緒に書いているんだけど、3人で会うときに初めに考えることは、そのときに話したい何かがあるのかどうか、あるいはその曲が我々にはっきりと何かを伝えるのかどうか、ということだね。

より個人的なレベルのテーマを追っていくけど(たぶん音楽的な影響についても)、今作の歌詞は大正解だと私は思う。つまり多様で日常的で正直であり大袈裟じゃない。歌詞面では多くの時間を要したの?いつもどんなふうに曲を作ってる?
どうもありがとう!さっきも言ったように、歌詞を作るために3人はいつも家に集まるんだけど、いくつかの歌詞が我々の前に横たわって何日か要して、そしてある午後に別の歌詞を書くんだ。3人にとって違和感のない歌詞であること、それが自分たちの生や自分たちのあり方を表していることが望ましい。曲作りはいつも練習場所で行なっていて、いくつかの曲はそこで即興で演奏しながら出てくるし、他にはJamieがほぼ完成したものを家から持ってくる。ボーカルメロディーをつけていく等をして、そしてだいたい定まってきたら歌詞を書くんだ。

EPに関しては新しくなかったけど、メロディックでハーモニックな手法が再びカギとなる。コーラスで大胆に入れたPaulaのボーカルがよりいっそう助けになっている。Santiに多くの助けを借りたのか、あるいははっきりとしたアイデアを自分たちで持っていったの?
我々はメインのボーカルメロディーやコーラスをとてもはっきりさせていた。スタジオに行く数週間前に家でGaragebandを使って色んなコーラスを試したよ(笑)。90%はすでに練習から仕上がっていたし、ライブでもやってたりしてたけどね。Santiはスタジオでハーモニーに関していくつか提案してくれて、それが曲に、とりわけ “Elevator Boy”や“The Empire Strikes Back”にクールな色合いを与えたんだ。

君たちは2016年の真ん中にアルバムをCDとカセットとLPで出した。この作品のリリースのされ方とか国内で入手可能な場所とかについて教えてくれ。
当初のアイデアはヴァイナルのみで出すことだった。作品をできるかぎり広く流通させるためにスペイン内外の様々なレーベルと共同リリースしたかったんだ。EPに参加してくれたレーベルの一つ(Waterslide Records、日本)が今回CDで出したいと言ってくれたのと、その後に友人であるPifia RecordsならびにDiscos Finuがカセットはどうかと提案してくれてとても嬉しかった!
スペインなら、LPはBcoreLa Agonía de VivirもしくはPifia Recordsを介して買うことができるし、カセットはPifiaかDiscos Finuで、CDはコンサートで我々から直接買うか、メールかFacebookでメッセージを送ってくれたら買える。また、バンドで売る用のカセットやヴァイナルも我々の手元にいくつかある。

君たちはカタルーニャに向けてアルバムを紹介してきたばかりだし、そして間もなくヨーロッパをツアーする。新曲を携えてのツアーだけど、これら最初のステップはどうだった?
カタルーニャでのコンサートは素晴らしかったし、コンサートを主催してくれたコレクティブはとても良い人たちだったから全てがとてもうまくいったよ。コンサートでみんながたくさん歌ったり踊ったりしてたから超いい気分で帰ってこれたよ。いつもそうであってほしい!(笑)。でも、どこでもそうなるわけじゃないってちゃんとわかってる。

次回はマドリードだね (11日土曜日、君たちにとって初のWurlitzer Ballroomで)。ナーバスになってる?ところで、知らない人のためにその日の共演バンドを教えてくれ。
了解!ナーバスだしかなり意気込んでるよ。Wurlitzerはホームで試合するようなもんだし、それはいつもパニックになるほどはしゃいでしまうもんなんだ(笑)。自分たちの好きなバンドと一緒にアルバムを紹介したかったし、かれらは友人であり我々がとても尊敬している人たちだから、Rollercoaster KillesTroikaと共にするその夜はすごくクールなものになるはずだ。Rollercoaster Killsはマドリードのポストハードコア/パンクのグループで、ライブがとても良くて音源もすでにいくつもあるよ(Bandcampで聴いてみてくれ!)。Troikaは、AccidenteのBlanca、Raw PawのPaloma、AsinusのLauraによって結成された新しいグループであり、政治的な歌詞と凄まじい姿勢を持ったクラシックなパンクだ!

君たち自身についてだけど、Wild Animalsのライブはどんなふうに紹介できると思う?LPで聴くのとライブでのそれには明らかな違いがあるとわたしは思う。
外側で受け取られているものを内側から知るのはいつだって難しい…。我々はとても良いひとときを過ごすし、めっちゃジャンプするし、笑うし、毎回コンサートでは全力で楽しんでる。そのエネルギーと歓喜は同じように観客にも伝わっていると思うし、すでに何度もそう言ってもらえていると思う。演奏する我々の半分でも観客が楽しんでくれるのならもう成功だよ(笑)。

このインタビューの初めのパートを終えようと思うけど、心の名盤としてバンドメンバー3人ともが一致するようなLPを3つ挙げなければいけないとしたら何を挙げる?
Hüsker Düの“New Day Rising”
Jawbreakerの“24 Hour Revenge Therapy”
Dinosaur Jr.の“Bug”

 
 

“Basements: Music To Fight Hypocrisy”の10曲とバンドによるコメント

トレードマークであるメロディーを伴った見事なパンクロック集中砲火のようなアルバムは、“Sleepless Sundays”によってその幕が開かれる。先ほど話したとおり、前作EPの泥臭くロウなサウンドを“クリーンにする”意図がたちまちに明らかになる。
“Sleepless Sundays”はこのアルバムに入っている10曲では最初に作った曲で、ライブで演奏したりしながらより長い時間をかけた曲だね。この曲に特別な愛着があるし、それに実はスタジオではこの曲を巡って重大な岐路に差し掛かったりもしたんだ。おそらく完璧なものにしたかったからだろうね。結果的にはこのアルバムで好きな一曲になった。歌詞はアルバムの中で最も個人的なものの一つだし、我々が共同で作詞していない数少ない曲の一つだね。

ちょうどもっと個人的なテーマについての話が出たのでなおさら“Heavy Metal Saved My Life”が頭に浮かんだよ。Rancidや7 Seconds、Propagandhi… そしてメタルのことを含んだ意思表示。
この曲の歌詞は楽しく書いたよ。音楽や楽器を演奏することに興味を持つことがどのように我々3人の生を変えたかについてしゃべっていたときの会話を通じて出てきたんだ。我々の生の大半がそのことを中心に回っている、回ってきた気がするから、だからこの歌詞は自分たちの関心がどのように始まったかについて、それを通じてできた友だちについて、我々がした素晴らしい体験についての歴史を語るものなんだ。

“Elevator Boy”はびっくりするくらい素晴らしい。キャンプファイヤーパンクソング?先立つアコースティックとエネルギーを伴ったこの曲は君たちが準備したものなのか、それともSantiの仕業なのか教えてくれ。
そのキャンプファイヤーパンクってのすごくいいね(笑)。曲は当初からこんな感じだったよ。我々の中ではっきりしていたのは、アコースティックを録音したいということ、Jamieのボーカルとギターだけで曲を開始すること、そのあとに全員が加わること。スタジオではSantiがかなりクールなボーカルハーモニーのアイデアを色々くれた。ライブではより速く演奏するんだ、そうしたら面白いと思うからね。あと、この曲でコンサートを締めくくるのが好きなんだ。

お次は“Avocado”、おそらくこのアルバムの代表曲。道半ばにある生とDIYに対する絶対的な献身?
そんな感じかな… 途上ではあるもののとりわけ愛について、長い距離を旅してきたこの一年に出会った人々への感謝、概していえばDIY精神を生き続けさせている人全てに対する感謝、そういったことについての曲だね。家からとても離れたところにいることもそうだし、同じ関心事を共有している人々、音楽や政治的テーマのどちらかもしくは両方に関わったりその中で取り組んだりしていて、そしておそらく見返りを求めずにあるいは求めながら誰かがそこで演奏できるよう午後いっぱい料理したり場を整えたりしながら時間を過ごしてきた、そんな人々と知り合うのは素晴らしいよ。

再び政治的な曲、でありながらキャッチーなサビと完璧なコーラスを備えている。“The Empire Strikes Back”では何を言いたいのだろうか?また、あのイントロはどこからインスピレーションを得たの?Shonen Batからだって言ってくれ!(笑)
我々3人ともShonen Batが大好きだけど、申し訳ないがノーと言わせてもらうよ(笑)。そのイントロのことを自分たちではいつも“Cap’n Jazzパート”と呼んでる。君たちにとってもそうであったように全然それを彷彿とさせないけどね。そのパートはFirst Songsを録音する前からすでにあったんだけど、それでこの曲を作ったときにイントロのその部分が良くなってると思ったよ。
この曲が言っているのは、国民国家(したがって企業や特に権力を誇示する者たち)が自らの利益を獲得し維持するために如何に暴力の“合法的”使用を独占しているかについて、また、変化を求めるなかでそれ(暴力)をそいつらに対して使う者を如何に悪者扱いするかについて。曲はこれに関する反語のリフレインで締めくくられている。暴力を肯定するよりも我々はむしろ人々がそれについて深く考え自分自身で問いに答えてほしいと思っている…。それに、同じくその肯定はしない方がいいよ、“Sad ones wear frowns… (しかめっ面した哀れなやつら)”が“kick my door down and march my ideals to the county jail (私んちのドアを蹴破って私の理想を刑務所に引っ立て)”に来ないようにね(笑)。残念ながら、今この時にも大勢の人々がその現実を生きている。多くの人が信じないとしてもいまだに政治囚が存在するんだ。

再びアコースティック曲。“Wave Goodbye, Coastline”には海から都市へ移ることについての歴史が描かれている?
うん、これは我々が地元の沿岸部から大都市へと移るときにどう感じたかというちょっとした様子なんだ。動機、結果、対比…。アルバムの他のいくつかの曲と同じく、個人的なことと社会的なことを何らかの方法で言うことによってミックスさせているんだ。

“Television Blows”には興味深いものがある。君たちは歌詞の中であまり“空っぽ”なことを言わないことによって自らを特徴付けているけど、ここではよりありふれたテーマについて話している…。重要なのは、サビに到達するとこれは背後にポジティブなメッセージを含んだ別のテーマと向き合っていると確信するようになることだ。この曲はどうやって生まれたの?Paulaのコーラスもアルバムの中でベストだ。
この曲が生まれたのは、基本的には、我々3人は“労作である”テレビシリーズがとても好きでよくそれらについて話しているからなんだ。Fonはいつも4つを傑作として挙げるんだけど、信じる信じないは別として、おそらく本心としては(笑)、ありきたりでもないしとても批判的であるというダブルミーニングがあるんだ…。もうこのへんにしとくよ。

“Guilty”はたぶんかなりデビューEPの路線に近い曲だ。その時期の曲?
いや、レコーディング前に作曲した最後から2番目か3番目の曲で、スタジオ入りする前にはライブではやったことのなかった唯一の曲だね。
この歌詞には逸話があって、Fonはこの曲のためにMinor Threatの“Guilty of Being White”の歌詞の翻案を作ることを提案したんだ。そこでは物議を醸すような別のテーマ(ここでは触れない笑)を取り上げつつね。そして、我々みんなが見事だと感じるような翻案をFonは自ら作ってしまった…。でも物事がすでに締めに入ったと思っていたときに誤解するようなことで煩わされたから、我々は手を引いたんだ。結局、我々は社会を支配する偽善に対してこの手の申し立てをしたし、タイトルが歌詞と調和している事実と我々との間ではそれを“Guilty”と呼び続けていたから、だからこのままになったんだ。

“The Worst Mistake”はよりデュアルなボーカルの面とより個人的な歌詞が表に出てくる。実際、おそらく理解するのがいっそう難しいけど、そこに自らを投影するのに十分なほどには開かれているよね?
うん、Paulaはこの曲で歌うことをより好んでいたし、そういうふうになったんだ。この歌詞こそ不明瞭だし、実は、最後の部分“three random stories…”が言っているように、この曲は3つのランダムな自伝的物語なんだ。一人あたり一つのね。そしてこれは最後に仕上げた歌詞だった。まさにサン・フェリウのアパートで、レコーディングの2日目か3日目の晩飯を取るためにパスタを料理している間にこの曲を終わらせたんだよ。

我々が個人的なテーマについて言っていたにせよ、締めはこの辺りで目にされてきた中でまさに最も誠実かつ正直な愛の歌の一つだ。[訳注: ラスト曲“Logic Makes No Sense”についてです。]
アルバムの中で最も好きな曲の一つだし、おそらくスタジオにおいてはより手間の掛かった曲だった。なぜならライブではかなり速いテンポで演奏していたけど、アルバムではもっと落ち着きを与えたかったからね。より楽しい感じも加えて(笑)。最終的な出来映えはとても気に入っている。
歌詞は明らかに最も個人的なものの一つだ。我々のことを個人的に知っている人ならきっとわかるはずだよ。

(終わり)

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