スペインはマドリードを拠点に活動しているパンクバンドAccidenteの3枚目となるアルバム『Pulso』を訳してみただす。せめて少しでも読んで理解できるようになりたいと思ってほんのちょびっとカステジャーノ(スペイン語)をかじった程度の、ただの物好きによる素人翻訳とお考えくださいだす。えっそんなこと知ってるだすって?!ともかく今作素晴らしいのでまずは聴いてみるといいだすよ!えっもう聴いただすって?!じゃあもう寝るだす…
(宇古呂毛知改)

 

 

1. “Pulso” (拍動)

その緊張

気高さとは、痛いとき
打ち倒されてしまったとき
自らの悪魔に屈してしまうときに
きみが叫び声を上げないという意味ではない
それはきみの瞳の中の炎を見ること
それは歯を食いしばる自分を見ること
それはきみ… 信念を持ち前へと向かう
顔に浮かんだ情熱、それは生きるということ

それは願望と現実の間にある緊張、
それはつまずいても失敗を恐れないこと
飛び立つんだ、何度でも

その緊張

この生に火を放つことによる
激しい呼吸、
不安、アドレナリン
レースでの傷
私にとって生とは拍動なんだ
困難な問題とともに生きること
たぶん… 私たちは勝ちはしないだろう
同じく負けることもないだろう…

なぜなら強風に立ち向かったり、
追い詰めたり跳び越えるための
より良い方法なんて私にとってはないんだもの
自分には信頼できるものがあると知ること以外は

 

2. “Otro amanecer” (また別の夜明け)

また別の夜明け、息切らしやってくる
彼女の土台はぐらつく
彼女の友だちがソファーの上で打ちひしがれながら待つ
何も尋ねず、彼女をただ暖かく包み込む

彼女は夢の中でただちに姿を消す
そして目覚めるときには、
死が舞い戻り離れはしないだろう

また別の夜明け、彼女はバスルームで吐く
痛みを覆い隠すアルコール
彼が信頼を寄せる恋人は自らの髪をつかむ
地面に付かないようにするために

彼女は夢の中ですぐさま走って逃げる
飛び込むとき、深い穴なら簡単に救い出せる

彼女には計画可能であり、降下しながら肌で風を感じる
そして彼女は終わりへと飛んでゆく
もう痛みなんてなく、あるのは自由だけ
雷のような衝撃、
周囲で鳴る一万ものサイレン
ソファーの上で辛抱強く彼女の友だちは待つ
新しい夜明け

 

3. “Escupe el mar” (海が吐き出す)

そして二千の身体と一つのワルツが海に落ちた
内臓が塩まみれになったことを誰も覚えていない

そしていつも四月のある夜に暗闇の中で
それらの身体が再び姿を現し岸へと達する
道を探しながらかれらは踊る
死刑執行人たちを追い詰めるまで
そして今や?

そしてドアの前には二千の身体と一つのワルツ
もう弁解するには遅すぎる
海の復讐だ

そしていつも四月のある夜に暗闇の中で
それらの身体が再び姿を現し岸へと達する
道を探しながらかれらは踊る
死刑執行人たちを追い詰めるまで
そして今や?

そして柵や港の中では
どの波もすべて嘆きなんだ
それが国家の価値でありかれらはその死者
これほどの海を止められる境界線なんてない

そして春が来るたびに海は身体をひとつ吐き出す
そしてお前らは自らの肌であの判決の支払いをすることになる
そして春が来るたびに海は身体をひとつ吐き出す
海が吐き出す…

 

4. “Yo misma” (私は私自身になる)

通るつもりはない…。
お前らのコルセットは全く合わなかった
私の身体はお前らの信仰には従わなかった
応じることのない千の期待
挑発することには興味がない
ほしいのはサーカスではなく、尊厳だけ
多様性がお前らの世界をかき回してくれますように

わからないの?
私は男じゃない、私は女じゃない、
私は感情、私は肌
定義なんてない
ただ拒絶とフラストレーションだけがある
私の現実、お前のフィクション

役割もなく、法もなく
私は私自身になる、もしくはならないよ

お前らのコルセットは全く合わなかった
私の身体はお前らの信仰には従わなかった
応じることのない千の期待
だって私の人生、私のアイデンティティ
遊び方を決めるのは私だ
それにかくれんぼは私の趣味じゃない

そしてこの全ての痛みはジェンダーを監獄へと、
無慈悲へと、排除へと変えてしまう
紙でできた二分法なんてすぐさま破ってしまおう
私のなりたいものをリスペクトしてくれ

役割もなく、法もなく
私は私自身になる、もしくはならないよ

 

5. “Bandada” (群れ)

群れが一体となって飛ぶ
今はきみは止まれない
それがルールだときみはよく知っている、
ひとりで行って迷子になってはいけない。
もし彼女が道を逸れたがったり、
自分自身の道しるべを持ちたがったとしても、
すでに彼女は知っていた、代価があり
主導権はタダではないことを…

でも私は群れではない、
私はたったひとつの個なんだ
あの保護的な束縛は、
私に息をさせなくする
そして今では私は進むべき道を自ら決めている

待ってはいけない、呼んではいけない、
もし彼女がきみを連れていったらどうなる?
それがルールだときみはよく知っている、
きみを先導し、
きみの運命を定める者たちに
ただ付いていかねばならない
疑問を持つな、我々は大勢なのだ、
共に敵の前へ

でも私は群れではない、
私はたったひとつの個なんだ
あの保護的な束縛は、
私に息をさせなくする
そして今では私は進むべき道を自ら決めている

 

6. “Vuestra voz” (きみたちの声)

目を覚ます間もなく一撃
息つく暇もなく潰える夢
別れの間もなくやつらはきみたちを連れ去った、
これで終わりだとやつらは考えた

きみたちに会いに行くことはずっと覚えている
内にある緊張、千の顔と一つの感情

痛みが私たちを燃やした
きみたちはひとりきりじゃなかった… 落ちたときも

私たちの何百もの声が合わさった
恐怖を踏みつぶし再び脈打つのを感じた
勝負とはこういうものだと私たちは知っているし、
これが勝つべき決闘だとわかっている

痛みが私たちを燃やした
きみたちはひとりきりじゃなかった
私たちの皮膚の中にあるきみたちの力
そして傷を受けるたびに炎と勇気が増していく
きみたちの声が壁をぶち破る

私たちはやめない、何度でも関わっていく、
戦うことのみが、
きみたちの炎、きみたちの光を持ちこたえさせる
家に戻ってくるまで… もう一度

痛みが私たちを燃やした
きみたちはひとりきりじゃなかった
私たちの皮膚の中にあるきみたちの力
そして傷を受けるたびに炎と勇気が増していく
きみたちの声が壁をぶち破る

 

7. “Jueces” (裁定者)

お前の全能なる姿
羊の群れを身震いさせる
ある者たちは上を目指し、他の者たちは屈服する
個人的な地位のために

パンクは表彰台ではなく
ファッションショーの舞台でもなく、それは極めて重要なものだ
対抗文化、それは謙虚なんだ

ご立派な台座の上でお前は決める、
ある地位にふさわしいのは誰であるかを
ショーウィンドウ、エリートやセレブ
空間を征服している

パンクは表彰台ではなく
ファッションショーの舞台でもなく、それは自由なんだ
対抗文化、それは謙虚なんだ

自己批判的で、本物で、反逆的で、創造的で、
素敵で、活発
自己批判的で、本物で、反逆的な、
真の脅威!

 

8. “Complicidad” (共謀)

やつらが挑戦だと私に言ったものは
まったく味も匂いもないものだった
やつらから私はこう教わった
二つの身体が出会う、それが全てなのだと
やつらは私に適切な香りと
正しいサイズを示してきた
毛もシミもない肌
完璧な筋肉

そしてやつらは私に“二つ”の役割について説明した
そしてやつらは一つ一つのステップを脚本に書いてよこした

やつらは忘れていた
予測できない不確かな瞬間のこと
疑いのこと、笑い声のこと
ぎこちなくも激しい* 瞬間のこと
やつらは私に話さなかった
敬意や思いやり、親密さについて
不完全な化学反応について
恐怖を克服することについて

そしてやつらは忘れていた
分かち合える喜びのこと
複合体が燃えるときのこと
共謀があるならばもう規則は要らないこと

 

9. “Respira” (息をしろ)

きみは目覚める、息をするんだ、胸の圧迫、息をするんだ
サイレンの音、そして日が昇る、息をするんだ
不安、息をするんだ、窒息、息をするんだ
どの角にもある青い光、息をするんだ

この街における十の戦争と一日
そしてむさぼるためのたった一つの生

きみは終わりのある夢を見る
この混沌の中での気高い解決策の探求

きみは仕事をする、息をするんだ、時間はない
でも毎日のコミットメントが早鐘を打つ、息をするんだ
きみは寝る、息をするんだ、恋い焦がれる、息をするんだ
胸の内にあるユートピア、息をするんだ

攻略ガイドなしの千の挑戦
そしてむさぼるためのたった一つの生

 

10. “La revuelta real” (真の反乱)

前にきみが見える
きみは私にエネルギーを注入する
きみは地獄から戻ってきた
そしてまたそこに行ってしまうのだろう

志す目標のお手本となる人たちが
私を現実へとしがみつかせる

ある日きみは決心した
全ての檻を開放すると
もしそれが自由のためならば
一刻を争う

現実世界の戦士たち
私が諦めないよう勇気づけてくれる**

行動を起こすための
陰の中での三年間
怒りと情熱によって
いくつかのアイデアに命を吹き込む
きみの武器は共感、言葉、謙虚さだ
スローガンの残痕ではなく
真の反乱

 

*ぎこちなくも激しい… これは、歩き始めの頃に我々の多くがどういった姿勢で生と向き合うかをよく言い表している…。そう、J.と同じように、私たちはクソなものにぶち当たっている: すなわち、我々の自発性や無限のエネルギー、そして子どもの頃には力を引き出せた発火性の怒り、それらを少しずつ奪われてきたことによって、おぼつかず、脆弱になり、怯えてしまっている。私たちはもう子どもではなく、そしてしばしば私たちは冷笑主義や恐怖にとらわれてしまうが、まだ何も終わっていない。あのとき私たちを反抗へと至らせる動機となったのと同じ悲惨な現実は、今も我々を窒息させ続ける。戦争は平和である、それはすでにオーウェルやRIPが言った。そしてこの拍動はこれからも私たちの生の中に存在するだろう、死ぬまで。この作品は、潔癖でなくエゴもなく、忍耐と固い意志を持ち、自由への愛によって、自由と生命を懸けて戦っている人々全てに捧げる。ここ数ヶ月間で国家によって収監された40名を超えるアナキストたちに捧げる。

**「自分の得意なことを見つけ、持てる力を最大限出すためにその能力を使うんだ… なぜなら動物解放だけでなく、自然環境解放だけでなく、人間解放だけでなく、それはすなわち集合的解放ということなんだ。私たちみんなが自由にならないかぎり、我々の誰も自由になることはないのだから。」[動物の権利のアクティビストであるジェイク・コンロイの言葉。2015年の秋にochodoscuatro edicionesによって企画されたトーク “De activista a terrorista” (アクティビストからテロリストまで) において。]

 

ウェブサイトなど
Blogger: Accidente (Punk Rock)
Bandcamp: Accidente – Pulso
Facebook: Accidente

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