1. Perversion

外の人々は気にする方法を知らない
彼らは持てる時間をただ気づかないでいることにすべて費やす
無意味な夫、無意味な妻、無意味な仕事、無意味な生活
彼らは競争のために教育される
だって、君は隣の人より勝らなければいけないから
すべてがより裕福に、より甘く、より優しくなる

誰が支払うんだ?
誰が本当の価格を支払うんだ?

雑誌の広告に描かれた広告掲示板の非情な顔が、
美とは何なのかを君に教えてくれるし、
君がなることのないものを見せてくれる
君が若ければ、努力した分だけ美しくなる運があるかもしれない
あたかも容姿が優れた人間を決めるかのようだ
そうでなければ、君はゆっくり死ぬだろう

誰が支払うんだ?
誰が本当の価格を支払うんだ?

社会は容姿と仮定に基づいている
僕がパンクのように見えるのは罪なんだ
まあ、僕は知性と心を手に入れたけど、君は何を手に入れた?
君の怒る理由は僕のとは全然違う

 

2. Ed’s Song

君の目の前で君は自分の人生が無駄に見える
君の無気力は君が軽蔑するものだ
君は退屈なときにテレビをつける
君は自分がなりたいものとは違う

するべきことを考えろ
そういうことをするな
自分に意欲があると言え
でも、君が行動しなければ何もよくならないよ

君は自分を偽善者だと認める
ただ、そうと認めても何にもならない
君は自分に対してさえも真実になれない
何か新しいことをするときだと思わない?

 

3. Workaholic

ある日、僕は職場に潜り込んで、外にあるすべてから隠れようとした
それはまだそこにあった
世界が続いてる間は気にしないようにした
良くも悪くもそれは着々と続いていく

それで気分がいいなら、どうして時間の無駄になってしまうんだ?
功績は無意味
誰も気にしなけりゃ、そこには何もない

今すぐ僕に必要なのは何らかの平穏の形態
やりたいことを全部やってたら、終える前に時間がなくなる
ストレスがもたらすもんのせいで細かいことは忘れた

それで気分がいいなら、どうして時間の無駄になってしまうんだ?
たぶん君は、小さなことが喜びに変わるのを見ることはないだろう

僕の手から滑り落ちた苦痛の時間を振り返ってみる
家の中で憂鬱になって座っている
外の世界はただ回り続ける
会社人間が僕を笑わせた
彼は働いて働いて、世界は通り過ぎる
感覚と精神と健康を無視する
僕は自分の中にもそれを見た

 

4. Alone

人々が行ったり来たり
彼らが何を考えているのか僕には知る由もない
僕をどう思っているのかな
自分たちを見たら、彼らには何が見えるんだ?

理解できないことがたくさんある
僕にはできないってことはわかっている
どこでも人だかりが大きくなる
もう僕が孤独だってわかってる

僕が愛する女の子たち
僕にとって彼女らはかけがえのないものだ
自分がなれもしないことで彼女らを喜ばせようとする
彼女らが僕の生きる理由だって、本人たちはわかってくれたかな?
与えられないものを求めるなんてどういうわけだ?

僕は彼女らに囲まれる
でも結局、いつも彼女らは行ってしまう
彼女らは僕を独りぼっちにする
彼女らは僕を孤独にする

君は自由と引き換えに対価を支払わなければならない
孤独な時間の中で支払うんだ
広い心はある種、孤独がむさぼり食うものだ
僕は自分の部屋に座っている
外に目をやり、僕にはなれないような社会的な人々を眺める

彼らは本当に幸せなのか?
それは彼らが必要とするものなのか?
機会があるとしたら、それは一人になるための機会に決まってる

 

5. Sword

彼らは君に憎しみを与え、恐怖を与える
彼らは君に終わりが近いと言う
それは本当かもしれないね
でも、それはまだ僕と君を残している
僕らは毎日、銃で遊ぶ
好きじゃないものを嫌うことを覚える
君の頭の上には吊るされた剣がある
その剣は君が自ら作ったものだった
ああ、落ちるのか?

テレビは僕らに真実を教え、嘘を教える
君に妥協を教える
僕は自分のMTVなんかいらない
あっちが俺なんかいらないと思ってるのは知ってる
それは僕らに同じことを恐れさせる
年を取ったらできる皺を恐れさせる
君の頭の上には吊るされた剣がある
その剣は僕らが自ら作ったものだった
ああ、落ちるのか?

そしてすべての墓は何列も立てられる
僕らは死んだヒーローに祈りを捧げる、ノー
いつになったら僕らは憎しみの代償が高くつくことに気づくんだ?
僕らがやってきたことすべてを忘れてはいけない
始まったすべての痛みを忘れてはいけない
そして今、剣は君の手に握られる
落とすなよ

 

6. Corrupt

男はなぜ憎しみを抱く?
男はなぜ恐怖を抱く?
同僚に煽られる不安や男らしさ
彼らはおもちゃの兵隊をくれた
彼らはおもちゃの銃をくれた
他のチームに勝たねばならない
君が幼いときに覚える

まあ今じゃ、僕は堕落したと感じる
僕は汚らわしい?僕は堕落したと感じる
僕は罪深い?僕は堕落したと感じる
僕は使われてる?僕は堕落したと感じる

嘲りは武器
それは敏感な女性にとって有害で危険だ
問題は僕らの側にある
それは他でもない、レイピストの男たちのことだ
その暴力は君たちを興奮させる
それは学んだものであって底が浅い

君は女性を愛す?
だったら、その痛みのわけは何だ?
その火を消すための戦いは内面にある

レイプの神話
それは欲情の罪ではない
むしろ、深く根を下ろした暴力と攻撃性だ

 

<書きもぐら>
ハワイ出身のパンクバンドCRINGERの1st 7″なんだな。CRINGERは、Scarred 4 LifeのLanceとEd、The VacuumのDavid、そしてハワイ初のハードコアバンドと言われるThe SharxのGardnerによって1984年に結成。本作録音時には、Gardnerの大学進学に伴い、メンバーはすでにハワイを離れ、ロサンゼルスに活動拠点を移してるんだな。Lanceは何人かのハワイのパンクスとAOKというテープ/ジンレーベルもやっていて、Scarred 4 Lifeとのスプリット、『We’re All AOK』、『The Vinegar Tasters』というCRINGERの3本のデモテープを本作以前に出してるんだな。80年代のハワイのパンク/ハードコアシーンの情報を知りたくばこのサイト(英語)を見るといいんだな。

この作品は結成メンバーによる最後の録音だけど、このラインナップではGardnerがピンボーカルを務めてるんだな。彼は次作からベースに専念するようになり、メインボーカルは主にLanceが執るようになるんだな。CRINGERの曲はほとんどLanceが書いてるけど、初期はGardnerとの共作も多いんだな。本作のサウンドは、後々に花開くポップさがまだ芽を出したばかりのパンク/ハードコア。歌詞に関しては、Crassをはじめとするアナーコパンクなどから影響を受けてるってどこかに書いてあった気もするんだな。ちなみに、Lanceが本作で唯一歌っている”Sword”は、彼がCRINGERと同時期にやってたHypo-Depressionというバンドのベースの人が作った曲なんだって。

L.A.移住後、メンバーは反戦や反核運動を展開していたSANE/FREEZEという団体にも関わってたらしいんだな。Lanceはハワイ時代から反基地・反戦活動をしてたみたいだけど、ここらへんの事情は詳しくは知らないんだな。ただ、そういった側面は、本作のジャケット内側に掲載された写真やスローガンにも表れてて、そこからは反戦や反核、反軍拡競争、アニマルライツ、フェミニズム、性的マイノリティの権利などに対するバンドもしくはメンバーの関心が窺えるんだな。でも、年を経るにつれ、そして後身のJ Churchになってからは、このように自らの政治的な態度をわかりやすく表に出すことには控え目になっていくんだな。